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【整体師向け】触診のやり方と考え方|硬さ・動き・左右差から施術部位を考える

2026/7/28

同じ体の同じ場所に触れても、触る位置と力の向きが少し変わるだけで、返ってくる反応は変わります。

この記事は、治療院を営む施術者、またはこれから独立を目指す施術者に向けて、熊谷剛の実演動画をもとに、触診のやり方で施術結果が変わる理由と、触り方の基本を解説します。

触る場所は症状の場所とは限らず、再現する反応で絞り込む。そして押し込まず、体の反応を待つ。この二つの考え方を、明日の臨床に移せる形でまとめます。

触診の入口として、まずは全体像をつかむ手がかりになれば幸いです。

監修者 熊谷剛

監修者

熊谷 剛

監修者

熊谷 剛

疲労回復整体オンラインサロン代表。「結果が出せる整体師に負担を掛けない技術」である疲労回復整体の生みの親でもあり、過去に技術を学んだ整体師は延べ13,000人を超える。

監修者 熊谷剛

監修者

菅原 春樹

監修者

菅原 春樹

体育大学卒業後、整体師スタッフとして熊谷先生が経営する整体院に就職。現在は整体院2店舗を経営し、患者さんの平均在籍期間は約11ヶ月、LTVは20万円を超える。

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この記事でわかること

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触診のやり方で施術結果が変わる理由

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触る場所を再現する反応で絞り込む考え方

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押し込まず体の反応を待つ触り方の基本

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明日の臨床に持ち帰れる応用のポイント

今回のテーマ

今回のテーマは、触診のやり方です。熊谷は、人を回復に導くために必要なのは「正しく触れること」だと整理します。その中身は二つ。「どの場所を」と「どのように」です。この二つがそろわないと、先には進めません。逆に、この二つができるようになれば、特定の手技は数あるやり方の一つにすぎず、どんな手技を選んでも構わないと語ります。

実際の実演では、「腰がしびれる」と訴える受け手(腰から臀部にかけて)を題材に、どこを・どのように触るかを確かめていきます。まず座位で可動域を確認すると、右は動くが左には渋さがある——という所見から始まり、触る場所を一つずつ絞っていきます。現場でよく出会う流れは、次のようなものです。

  1. 症状のある場所を触っても変化が出ない

  2. 強く押すほど反応が返ってこない

  3. 触る場所を変えると急に体がゆるむ

触診のやり方で結果が変わるのは、この「場所」と「触り方」のどちらかがずれているときです。まずは場所を決めることから見ていきます。

ここがポイント

どの場所を、どのように触るか。人を回復に導けるかどうかは、この二つで決まります。

触る場所は症状の場所とは限らない

なぜ触る場所を疑う必要があるのか。その背景から説明します。症状のある場所と、その負担を生んでいる場所は、必ずしも同じではありません。訴えのある部位を直接触っても変化しないタイプがあり、そのときに同じ場所を強く触り直しても、反応は返ってきません。

実演でも、訴えの出ている腰へ普段どおりのやり方で触れると、受け手は痛みを訴えるだけで変化が出ない場面が出てきます。ここで手の力を上げるのではなく、触る場所そのものを疑うのが出発点です。症状は結果として現れているだけで、触るべき場所は別にあることがあるからです。実際、この受け手は腰のしびれを訴えていましたが、熊谷は再検査の反応から「腰を施術しても直らないタイプ」と判断し、触る場所を別の部位へ移していきます。

熊谷の考え方

症状のある場所を触って変化しないなら、力を上げる前に、触る場所そのものを疑います。

触る場所を疑うと決めたら、次に必要なのは「どこを触れば体が反応するか」を確かめる手順です。勘で当てるのではなく、再現する反応から絞り込みます。

触る場所を再現性で絞り込む

触る場所を決め直すために、熊谷は姿勢を変えて同じ反応が出るかを確かめます。座っていても、うつ伏せでも残る反応は、その受け手にとって外せないチェックポイントになります。姿勢を変えても消えない反応ほど、扱うべき場所の候補として確かです。

  1. 姿勢を変えて反応が残るか確かめる — 実演では、座位で可動域を確かめたあと、うつ伏せでも同じ反応が出るか触診で再確認します。座位でもうつ伏せでも残る反応は、熊谷が「絶対に外せないチェックポイント」と表現する、扱うべき場所の候補になります。姿勢で消える反応は、いったん脇へ置きます。

  2. 別の部位で変化するかを再検査する — その反応が、別の部位で反応するかを再検査します。実演では肩を再検査すると反応があり、「肩である程度変化しそう」と見当をつけていました。反応が動くなら、そこが触る場所につながっている手がかりになります。

  3. 反応して変化する場所を触る場所に定める — 再現し、かつ別の部位で反応が起きる場所を、実際に触る一点として選びます。実演では「腰を施術しても直らないタイプ」と判断し、触る場所を腰から肩のラインへ移しました。ここまで来て、はじめて手を入れます。

この絞り込みの軸になるのは「比べる」ことです。姿勢を変える前後を比べ、触れる前と後を比べる。単独で硬い・悪いと決めるより、比較したほうが違いがはっきりします。

押し込まず体の反応を待つ触り方

触る場所が決まったら、次は触り方です。ここで結果を分けるのが、押し込んで操作するか、体の反応を待つかの違いです。実演では、受講者が普段のやり方で押すと、受け手は痛みを訴えるだけで変化がありませんでした。熊谷は、力で動かそうとするより、体がゆるむのを待つ触り方を示します。

押し方は、動画では二段階で行います。まず第一段階でぐっと押し込み、そこから手の向き(圧のベクトル)を変えます。押していると、圧が抜けて逃げていく方向があることが分かります。向きを定め直すと、今度は「硬さ」が手に返ってきます。この硬さを感じる向きを保ったまま、強さを変えずに持続させる。すると、硬さが抜けてゆるむ瞬間が返ってくるのです。

熊谷はこれを「操作しようとするより、体の反応を待ったほうがよい」「できるだけ遊びを取って、そこからぐっと待っていると、スーッとゆるんでくる」と説明します。遊びとは、圧が逃げてしまう余分なゆるみのことです。圧の向きを一方向に定め、途中で抜かないことが、同じ場所に触れても反応が返る・返らないを分けます。

熊谷の考え方

操作しようとするより、体の反応を待ったほうがよいです。できるだけ遊びを取って、そこからぐっと待っていると、スーッとゆるんできます。

触り方を変えたあとの変化

触る場所を絞り込み、向きを定めて待つ触り方に変えたところ、受け手の状態に変化が現れました。熊谷は同じ動作をもう一度確かめて、その変化を受け手自身にも体感させていきます。

  • 座った姿勢が、さっきより楽に取れるようになった

  • 立った姿勢で、それまでできなかった動き方ができるようになった(歩き方も変わる)

  • 体を前に倒す動作(前屈)ができるようになった

一つの反応が落ち着くと、それまで目立たなかった別の反応が見えてくることがあります。熊谷は同じ考え方で触る場所を別のラインへ移し、触りながら逃げる方向をその場で直します。すると、触っていた部分の痛みがなくなるという反応も返ってきました。触診は一か所で終わりではなく、反応をたどり直す作業の連続です。

※効果や経過には個人差があります。ここで紹介している内容は、この場面に対する見立ての一例です。

臨床への応用ポイント

  • 症状のある場所を触って変化しないなら、触る場所そのものを疑う

  • 姿勢を変えても再現する反応を、触る場所を絞る手がかりにする

  • 反応が出て、別の部位で変化する場所を触る場所に定める

  • 押し込まず遊びを取り、圧の向きを一方向に定める

  • 強さを変えずに持続させ、体がゆるむのを待つ

  • 変化をその場で患者さんに体感してもらい、根拠として示す

患者さんへの説明

触る前と触った後で動きがどう変わったかを、患者さん自身に確かめてもらいます。

動画の内容を臨床に取り入れる前の安全確認

この動画は、触る場所を決め、触り方で反応を引き出すまでの判断の流れを追う参考素材です。触り方だけを切り取って真似ると、なぜその場所を触るのかという見立てが抜け落ちます。

また、不調の中には施術で扱う範囲を超えるものが混じっていることがあります。施術者の役割は、危険なサインを見分け、扱う範囲を超えると判断したときに医療機関へ紹介・連携することです。

危険なサインを見逃さない

次のようなサインがあるときは、施術を進める前に医療機関との連携を優先します。

  • 脚の強いしびれや力の入りにくさ

  • 排尿・排便の異常

  • 発熱をともなう安静時痛や夜間痛

病気の診断や治療は医療機関の領域です。しびれを伴う受け手では特に、こうしたサインがある場合は、施術を急がず医療機関との連携を優先します。見分けて適切に紹介できることも、施術者の専門性の一つです。

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まとめ

触診のやり方で結果が変わるのは、どの場所を、どのように触るかがそろっているかで決まるからです。症状のある場所を触って変化しないときは、力を上げる前に触る場所そのものを疑います。

触る場所は、痛みの訴えではなく、姿勢を変えても再現する反応で絞り込みます。反応が出て、別の部位で変化する場所を選びます。

触り方は、押し込まず遊びを取り、圧の向きを定めて体の反応を待ちます。一か所が変わっても別の反応が残ることがあり、そのつど場所を決め直します。変化をその場で患者さんに見せることが、施術の質と信頼につながります。

よくある質問

Q. 症状のある場所を触っても変わらないときはどうしますか?

A. 触る場所そのものを疑います。同じ場所を強く触り直すのではなく、どこを触れば体が反応するかへ視点を移し、触る場所を決め直します。

症状は結果として現れているだけで、負担を生んでいる場所は別にあることがあるためです。

Q. 触る場所はどうやって絞り込みますか?

A. 姿勢を変えても再現する反応を手がかりにします。

座位とうつ伏せなど姿勢を変えて同じ反応が出るかを確かめ、さらに別の部位を動かして変化する場所を、実際に触る一点として選びます。

Q. 触り方で結果は変わりますか?

A. 変わります。

押し込んで操作するのではなく、遊びを取って圧の向きを定め、強さを保ったまま体の反応を待つと、硬さがゆるむ反応が返ってきます。圧が抜けたり向きが定まらないと、同じ場所でも変化は出ません。

Q. 一か所を触れば施術は終わりですか?

A. 一か所が変わっても、別の場所に反応が残ることがあります。

一つの反応が落ち着くと別の反応が見えてくるため、そのつど触る場所を決め直し、同じ触り方で確かめていきます。

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